呪いの人形をこわしたら義兄が赤ちゃんになってしまいました。頑張って子育てします。 18(R18)


 顔を赤らめた結太に、宗輔はちょっと意地悪く微笑んだ。
「今日は日曜だ」
「あ、そうでしたっけ」
「だから、急いで起きなくてもいい」
 指で結太の首筋をなであげてくる。ゾクゾクと触れられた場所から鳥肌が立っていった。
「……くすぐった」
 目を細めて身体を震わせると、宗輔の眼差しにいつもとちがう雰囲気が生じる。それは昨夜、少年宗輔が、結太を憧れの目で見てきたものに似ていた。何とも言えない、大切で愛おしいものを見るような、それでいて焦れているような眼差しだった。
「宗輔さん……」
 身体の内側に、火がともったようになる。胸のあたりからジンとした痛みがきた。
「この前は乱暴に触って悪かった。……今度は、そんなことしないから、もっと触ってもいいか」
 言いながら、指先がうなじを這っていく。皮膚の薄いところをなでられて、ぞわりと快感がきた。
「触りたいんだ」
 それに感化されて下腹にとろりと重い欲望がたまっていく。
「……はい」
 くすぐったくて、眉をよせると、眇めた目の際にキスされた。そのまま舌で目許を舐められる。
「お前にはさんざん俺のモノを見られてるからな。今度は俺に見せろよ」
「そ、そんな。あれは、だって」
「アレが取れるまでは、毎日昼間、仕事中に思いだしては、ホント身悶えたぞ」
「ええ」
 こっちは育児のつもりだったが、宗輔にしてみれば、羞恥に耐えがたいものだったらしい。仕返しを企むような悪い笑顔になった。大きな手を、カーキ色のコットンパンツの中に忍ばせてくる。昨夜、着がえを持ってきていなかった結太は、下着をつけていなかった。
「……あ」
 宗輔の指先が、起きあがっている愚息の頭に触れた。先端の敏感な部分に刺激がきて、結太もビックリした。キュッと内腿に力を入れると、宗輔は口角をあげて小さな孔のまわりをこすり、それからくじるようにした。
「あっ、ん、もう……。っ、そんな」
「いい?」
「ん、……ぃ、いい、です」
 他人の手で快楽を施されるのが、こんなに気持ちがいいなんて。結太は知らなかった。ピリピリした強烈な快感が、亀頭全体を覆っていく。小孔から雫も滲んできたらしく、急に指の滑りがよくなる。宗輔の指先が気持ちいい。たったこれだけ触れられているだけなのに、おかしくなるくらいに。
 宗輔は一度手を引き抜き、結太のパンツのジッパーをおろしにかかった。前を寛げると、身を起こして乱れた姿の結太を見おろしてくる。
「ひゃ……」
 勃起した自身が、すべてあらわになる。結太は恥ずかしくて、腕で顔を隠した。
「隠すなよ、せっかく貴重なエロ顔なのに」
 無理矢理、腕を外される。
「うぅ……。許してください」
 涙目になると、宗輔は余計に興奮したように、乱暴にパンツを膝までさげた。
 宗輔のほうはТシャツに、小さめのサイズのボクサーパンツをはいている。それがここ最近の少年宗輔の寝間着だったからだ。
「きつくて邪魔だ」
 宗輔は手早く着ていたものをすべて脱ぎ去った。
 結太に裸を見せることに抵抗はないらしい。元水泳部ということもあるのだろうが肌をさらすのも大胆だ。逆三角形の均整のとれた姿が目前に現れて、結太は生唾を呑みこんでしまった。いつ見ても彫刻のお手本のように美しい、滑らかに筋肉のついた身体だった。
「いきなり挿入するのは無理だろうな」
「そ、そ、そうにゅう、っすか」
 無理無理無理と首を振る。
「だな。そっちはゆっくり、俺が育成してやる」
「宗輔さん、経験ないんですよね?」
 なのになぜその自信。
「これから勉強するさ。学ぶのは得意だ。脳内シミュレーションをするのも慣れてる。法廷にでる前にいつもしてるからな。状況認識能力も判断力も高いぞ。任せとけ」
「……は、はひ」
 結太に跨る男は、不敵に笑う。その身体の中心には、凶暴なくらいに立派なモノが聳えていた。結太の息子とは、嵩が全然違う。何を食べたらこんな大物になるのか。同じ童貞のはずなのに最初からレベル差がありすぎだ。
「形も大きさも、お前のは、俺のと違って可愛いな」
 指先で、結太の分身を下から上へとたどっていく。ゆるゆると濡れた裏筋を触られて、か細い声がもれる。
「……ぁ」
「ああ、こんなにもう濡らしやがって」
「や……ぁ、っ、も……」
「弾力も俺のモノとは違うな。何でだろ。肌の色も薄くて、赤じゃなくて濃いピンク色してる……エロいな」
 声は冷静に分析しているが、瞳は興味と欲情で爛々と輝いている。口許を片側だけあげて笑う仕草は、正義とはほど遠い悪徳弁護士のようだ。
「そ、そぅ、すけ、さん……そこ、ばっか、見ないで」
「よく見せろよ。細部まで知りたいんだ」
 嚢の裏を持ちあげられて、性器全体を観察される。もう恥ずかしくて死にそうだった。
「見られてるだけで、達きそう……」
 視線で弄られて、言葉でいじめられて、結太の初心なペニスは泣き言を言うかのように、小さな雫をぷくり、またぷくりとはきだす。その現象に、宗輔が我慢できなくなったというように体勢を変えて、結太にのしかかるようにしてきた。
「結太、手をだせ」
「え」
 宗輔が結太の腕の横に、自分の手をつく。そうして、結太の屹立に自分のそれを重ねてきた。
「俺もそろそろ限界だ。結太、両手で、俺のと一緒に握りこめ」
「ん、は? あ、ふぁ、い」
 結太は頭だけ起こして、宗輔の猛々しくいきり立った分身と、自分のそれとを両手で包みこんだ。ぎゅっと裏筋同士を密着させると、相手の熱と震えが伝わってくる。その感触にぞわぞわきた。
「お前は動くなよ」
 宗輔がそう言って、腰を使いだす。じゅるっ、ずるっ、と音をたてて、互いのものをこすりあわせた。
「あッ、あ、んい、何……これっ、やっ」
「ん、んんっ、ああ、イイな」
「あ、あふ、す、すごっ……ここ、感じる」
「結太、もっと強く握れ」
「あ、んやっ、あ……、ダメ、すぐ、達っちゃうっ」
「もっとだ、もっと、握りこめ。力抜くなよ」
「ああ、ああっ、あ、こんな、すごっ、い、いいっ、そ、宗輔さっ……」
 動くなと言われて、結太は下半身の筋肉を緊張させた。半脱ぎになったパンツが足にからみついてもどかしい。動きが制限された中で、すりあわされる性器だけが、激しい快感を享受する。全身が性感帯になってしまったかのように、感じすぎて頭の中が煮えた。
「あ、ああ、ああっ……すご、すごい、ここ、し……痺れ、るみた、いっ……」
 結太の屹立も、宗輔の剛直も限界付近まで硬くなっている。体液も絶え間なくもれて、そのせいで手のひらの滑りがよくなり、さらに感度が増した。
 宗輔が己を激しく抜き差しする。結太の薄い皮膚が宗輔のそれに押されて持っていかれる。敏感な個所をすりあげられて、結太は悲鳴に近い喘ぎ声をもらした。
「ああ、あ、も、もう、……いっちゃう、いく、あ……あ、イくぅ……っ」
「結太、一緒にだ」
 宗輔が顔をよせて、結太のひらいた唇に口づける。息を絡ませながら、結太の手のひらの中で自身の凶器を荒々しく抽挿した。
「や……あ、も、も、ダメ、いく、いくから……っ」
 ぶるぶると下肢を震わせて、涙を流しながら頂を越える。未曽有の快感に、息さえできなくなる。
「あ、ああっ、宗輔さ、い、イ……っ」
 短く激しく呼吸をすると、結太のペニスの痙攣につられて、宗輔も際を越えた。互いの先端から精液があふれて飛んで、結太の手をどろりと濡らす。
「ん、んンっ……、っ、く、っ……」
 宗輔がぐいぐいっと男性器を押しこむようにしてきた。
「あ……は、す、すご……」
 乳白の雫が、結太の下腹に飛んで、いくつもの線や玉となって卑猥な文様を描く。
 それは互いの身体に長年ためこんでいた恋情を表すように大きく広がり、結太の肌を濃厚な熱で焦がした。
「結太……めちゃめちゃ可愛いかった」
 宗輔が、結太の唇や頬に舐めるようなキスを落とす。
 息があがってしまった結太は、答えることもできずに、はふはふと呼吸だけを繰り返した。
「これで、お前は俺だけのもんだ」
 言うと、ぎゅっと抱きしめてくる。
「はい……」
 やっと一言そう告げると、相手は嬉しそうな顔でまたキスをしてきた。



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