呪いの人形をこわしたら義兄が赤ちゃんになってしまいました。頑張って子育てします。 22(R18)


「足をあげて、曲げて、両手で膝のうしろを抱える」
「ええ……」
「そうして目いっぱい外側にひらく」
「そんな。恥ずかしいです」
「恥ずかしがらせてるんだよ」
 悪徳弁護士の顔になって、さあ、と促してくる。
「俺が赤ん坊だったときにさんざんしたろ。今度はこっちの番だ」
「……そんなあ」
 宗輔はけっこう根に持つタイプだったらしい。結太は仕方なく言われた通りにした。しかし、嫌々をしながらも、実は胸の内にあるのは反対の感情だった。宗輔は口は悪いが、指先はいつも優しい。結太に快楽だけを与えてくる。だから、結太も宗輔を拒否することなく望んでしまうのだ。
 足を抱えて、下肢が相手に丸見えになる恰好をする。薄い下生えに、勃ちあがったペニス、そして奥の収斂した小さな孔まで、歳の割には少年っぽい肢体があらわになる。
 すると宗輔は瞳に今までにない欲望と情熱を湛えた炎を宿らせた。
「……すげ」
 言葉づかいも乱れてくる。揺らめくような熱い視線を結太の股間にそそぐと、ローションで濡らした手で、性器全体を包みこむようにした。
「……あ、宗輔さんの指、熱っ……」
「お前のほうが熱いぞ」
 お互い、相手の熱情にあてられているらしい。ぬち、ぬちゃり、と卑猥な音が、結太の足の間からこぼれる。それにあわせて、蕩けるような快楽がやってくる。宗輔の左手が結太の竿をいじめつつ、右手は奥へと進んでいく。ふくりと丸まった双珠の後ろ、滑らかな肌を滑って、とじられた場所に指先を侵入させてくる。
「……あ、あ」
 結太の手から力が抜けて、足がおり始めた。それに宗輔が「こら」と文句を言う。
「足をちゃんとあげる」
「ふ、ぅ、ぅっ……。そ、そんな」
 宗輔が指を増やしてくる。ここのところ、時間があるときは宗輔の大きな持ち物を受け入れるために道具を使って慣れさせられていた結太の身体は、宗輔の指を難なく呑みこんだ。
「あ、ん……っ、い、ぃい……」
 内側の粘膜を広げられ、やわらかく指の腹で叩かれて、自分の下肢が立てる卑猥な音にさらにたかめられていく。弓のようにしなったペニスは、扱かれて間断なくぬめった涙をこぼした。性器の後ろも前も弄られて、気持ちよさに頭の中が煮立っていく。
「やわらかくなってる。結太、もう、いってもいいか」
「……はい、い、です」
 宗輔が指を引き抜くと、はいていたスウェットをさげる。すると、凶暴なまでに硬く立ちあがった分身が現れた。いつ見ても結太のものより数段立派で逞しい。その隆々とした肉の角を、結太のゆるくほころんだ紅色の粘膜に押しつけた。先端がぐにっと入りこみ、衝撃に受け入れた輪がビクビクと波打つ。
「……あ、や、きつ……」
 結太が唇を噛みしめる。痛みはなかったけれど、興奮と緊張に涙がにじんだ。
「嫌か?」
 宗輔が上体を倒して、結太の顔に自分の顔を近づける。
 自分も苦しいのか、凛々しい眉をひそめていた。
「やじゃないです。……やじゃないから、だい、じょぶ」
 ふるふると首を振ると、宗輔は何とも言えない辛そうな、けれど嬉しそうな顔をした。
「お前のことが好きだよ」
 ぬぷっと熱い塊が、身の内を犯してくる。潤滑剤の助けを借りて、宗輔の太い楔が奥へと進んできた。
「ああ、なんか、も、すご……」
 結太の声がうわ言のようになる。
「くそっ、お前の中、こんなだったのか……想像してたのと、全然、ちがう、なっ」
 宗輔も俯いて、歯を喰いしばった。
「やばいぞ。すぐ達きそうだ。これ以上、格好悪いところ……見せたく、ねぇ、のに」
 切れ切れの呟きが、宗輔も感じていることを教えてくる。結太は熱い愉悦に身を焦がしながら、宗輔がこんなときまで結太の前では理性的であろうとするのに、心がきゅぅっと絞られた。
 この人になら何をされても大丈夫だ。いつまでもどこまでもついていける。
「宗輔さん、俺も、あなたのことが大好きです」
 ずっと前から、好きだった。もし宗輔に呪いがかからなかったなら、この先も一生心が通じあえることはなかったかもしれない。
「俺、あなたに好きになってもらえて、世界一、幸せ」
「そう言われると、世界を征服したような気分になるな」
 宗輔が、結太にキスをする。硬く締まった腰を、ゆっくりと、けれどすぐに、激しい動きに変えて、下肢に打ちつけてきた。
「あ、あ……あ、ん、い、いっ……」
 抜き差しされる衝撃は、身体の内側を掻き回されるようで、結太は経験したことのない奇異で強烈な快感に翻弄されていった。下半身がぐずぐずに蕩けていくような気がする。結太はまだ自分の足を掴んでいたが、その感覚もなくなっていった。
 宗輔が結合部を大きく抉る。それに刺激されて、性器がビクビクと跳ねる。跳ねたペニスが宗輔の筋肉質の腹にぶつかって、さらに快感を重ねられる。幾重にも襲いかかる波のような刺激に、結太は訳がわからなくなってただ気持ちいいと喘ぐしかなかった。
「そ、そぅ、すけさ……も、も、俺っ、ああ、ぃい……っ」
 ペニスが前後左右に震える。おかしくなりそうなくらい気持ちよかった。
「ィき、そ……っ」
 息継ぎのためにあけた口に、宗輔の太い舌が乱暴に侵入してくる。口内もかき混ぜられて、くちくちと卑猥な音を立てさせられた。
「あふ、ふっ、すごぃ、い、いいっ……」
 いつの間にか大きく足をひらいていた。身体を全部、相手に差しだして快感を追っていた。結太の乱れた姿に宗輔の興奮もたかまるのか深部で男根が嵩を増す。うがたれた粘膜が限界まで広げられてこすられて、結太は泣きながら叫んだ。
「い、い、イくっ」
 もう許してくださいとばかりに解放を願う。すると宗輔が抽挿を繰り返しながら、結太の屹立を掴んできた。グッと力をこめて急激に扱きだす。そのありえないほどの強い快感に、結太は腰を震わせた。宗輔も自分の快楽を追っているのか、急に寡黙になって俯き、結太のうちを激しく犯してくる。結太は引きずられるようにして一気に頂へと連れていかれた。
「あ、あ、宗輔さ……も、も、ダメ、ダメ……っ」
 顎をガクガクと震わせて、腰を砕けさせながら、宗輔を深く呑みこんだまま絶頂を越える。ペニスの先端から、乳白の液体が勢いよくしぶいて、同時に宗輔も痛みをこらえるように喘いだ。
「……っ、く……っ」
 低く掠れた声に、相手も果てたのだとわかる。結太に雄を預けたまま、ばったりと倒れこんできた。
「……ぁ、は――っ……」
 大柄な宗輔の身体は重かったけれど、その感触は全然嫌じゃなかった。
 熱い肌が、とても愛おしく感じられる。
「結太、ん……」
 宗輔が呼吸を整えながら、頭だけを起こしてきて、結太に口づける。
「……宗輔さん、……ん……」
 甘い蜜のような余韻の中で、結太はやっと自分の足から手を離し、愛しい人の背中を抱きしめた。



                   目次     前頁へ<  >次頁