彩風に、たかく翼ひろげて
【彩風(あやかぜ)に、たかく翼ひろげて】
シリアス系 明治時代を舞台としたやくざの話です。
博徒の親分×兄を殺された青年
性描写あります。2017.7作
※喧嘩、流血シーンあります。苦手な方はご注意下さい。
【登場人物】
井口隼珠(いぐちはず)兄を殺された青年 十八歳
白城迅鷹(しらぎはやたか)博徒の親分 二十七歳
井口清市 隼珠の殺された兄
亮 迅鷹の一の子分
源吉 迅鷹の子分
赤尾の蛇定 隼珠の兄を殺した博徒
伊助 隼珠を引き取って面倒をみていた親分
沢口 隼珠を情夫として買おうとしていた社長
【あらすじ】
この人のために生きて、この人のために死にたい――。
明治二十三年。
維新とその後の動乱もおさまり日本が近代化に進みはじめる頃。
東海道鶴伏宿に『白城の鷹』と呼ばれる若い博徒の親分がいた。
兄を凶悪な博徒に惨殺された隼珠は、身を売られそうになっていた夜に『白城の鷹』である迅鷹に助けられる。
迅鷹は隼珠を買いとり、白城組で仕事を与え、夜は古傷の痛みをとる指圧までして世話をやく。なぜそこまで自分に親切にしてくれるのかわからないまま、迅鷹は隼珠にとって、次第に離れがたい人となっていく。
しかし、迅鷹が隼珠を引き取ったのには、隠された理由があった――。
【ひとこと】
やくざ物を書きたいと思い立ち、色々と歴史など調べていくうちに博徒にたどり着いて、そのかっこよさに萌えて書き始めてしまった話です。初めての時代物に加えて、博徒というニッチな職業は残っている資料も少なく、頭を抱えつつ調べ回った思い出があります。途中で何度か挫折しそうになり『なぜこれを書こうとした自分……』とツッコミをいれながらも、登場人物やその世界が少しずつ出来上がっていくのは楽しかったです。
下調べはしたのですが、歴史的な間違いがあるかもです。その場合は作者の責任です。申し訳ありません。
また、博徒は独特のしゃべり方(渡世人言葉)をしますが、迅鷹と隼珠はそれをマイルドにしてあります。源吉や伊助の話し方のほうが普通の博徒に近いです。
作中の按摩という言葉は昔の施術法を示すものであり、人を示しているのではありません。その点をご了承くださいます様どうぞよろしくお願い致します。
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